養蜂場日記
賑やかなお出迎え
2010年3月30日 / 養蜂場日記
養蜂場到着、午前7時30分。
車のドアを開けると、先ず聞こえてくるのはウグイスの鳴き声、しかも遠く近く、数ヶ所から聞こえてきます。
ホオジロも鳴いています。キジも甲高い鳴き声を上げています。キジバト、ヒヨドリ、シジュウガラも合唱に参加しています。
辺り一帯は“生命の賛歌”とでも呼びたくなるような生き生きとした躍動感に溢れています。
やがて気温が上がってくると、ミツバチ達も一斉に巣を飛び出してくるはずです。
野性の合唱が一段落する頃、養蜂場はミツバチ達の羽音に包まれます。
何十万匹の羽音が一つになって、ウオ~ン!という独特の響きが養蜂場全体を覆います。養蜂家にとっては“心地よい”狂想曲。
“沈黙の春”ではなく、“宴の春”がいつまでも続くことを願いながら、今日もミツバチの世話をしています。
三日見ぬ間の蜂の巣!
2010年3月23日 / 養蜂場日記
冷たい横殴りの雨が吹きつけようと、強風が吹き荒れようと、巣箱の中は平和です。
新しい命が次から次ぎへと誕生しています。
毎日、何十何百の新しい蜜蜂が巣立ってきます。
三日も見ないと、巣箱の内部の様相ががらりと変わってしまうほどの勢いです。
これから花の季節に向かってさらに数が増えていきます。
最盛期の5月末には一群平均4-5万匹、多いときには6万匹ほどにもなります。
春を告げる天使たち
2010年3月22日 / 養蜂場日記
東大寺のお水取りが終わって数日すると、庭、公園、街角、さらには山際など、関西のいたる処で一斉に咲き出す花~~白モクレン。
青空を背景に、やわらかい春の陽にきらきら輝く白い花びらは、春を告げる可愛らしい天使の姿にも見えます。
養蜂家はこの“天使”が現われると、これから夏までの、短く、忙しく、そして充実した日々を思い、胸を熱くするのです。
元気いっぱい!
2010年3月18日 / 養蜂場日記
越冬あけの働き蜂たちは元気いっぱいです。
彼らの役割は、春になって新しく生まれてくる赤ん坊ミツバチの世話をすることです。
女王蜂は立春の頃から産卵を始め、3月末から4月にかけて産卵はピークに達します。これからは日毎に蜂の数が増えていきます。
「3日見ぬ間の蜂の巣」と言われるくらいの速さです。
巣箱を開けるたびに、「おっ!」とか「あっ!」とか、思わず声を上げるのもこの季節です。
美味しい蜜を沢山集めてくれること、健康で強大な群れに育ってくれることを願って世話をする毎日です。
大工仕事
2010年2月25日 / 養蜂場日記
ちょっとした大工仕事、ちょっとした土木仕事等、草取りの他にもいろんなことをやります。
昨日からは、フェンスの修復に掛かりきりになっています。
昨年の台風でかなりダメージを受けていたので、今回は土台からやり直して、どんな台風にもびくともしないような頑丈なものにしました。
4月のような陽気、雲ひとつない青空、未だ本調子ではないウグイスの鳴き声、上空を舞うトンビの、のどかなピーヒョロロー、ケーンケーンと鋭いキジの声・・・
自然の舞台装置は日毎に色鮮やか、賑やかなものになっていきます。
その中に、釘を打つ音が響きます。
初音?
2010年2月22日 / 養蜂場日記
思わず自分の耳を疑いましたが、それは確かに「ホーホケキョ」と聞こえるのです。
寒波も去り、ぽかぽかと暖かくなった養蜂場で草取りをしている時でした。
今日は2月21日、いくら何でも早すぎます。
草取りの手を止めて耳を澄まします「ホーホッケキョキョキョ~」下手くそですが、確かにウグイスです。
今までは3月に入ってから聞こえていた初音です。そういえば、近くの農家の人が「最近は、野菜の花の咲き出しが1ヶ月ほど早くなっている」と言っていたのを思い出しました。
人間の知らないところで何か大きな変化が起きているのでしょうか?
しばらくの間、未だ音程の定まらない初心者ウグイスの熱唱を聴いていました・・・
養蜂場では除草剤などの農薬は絶対に使えません。養蜂家にとって、これからの季節は雑草との格闘です。季節ごとに雑草の種類もどんどん変わっていきます。雑草の特徴をつかみ、使う道具も変えていきます。以前は想像もしなかったことですが、養蜂をやるようになって雑草にも詳しくなりました。
ミツバチ達も、この雑草のように逞しく元気に成長してくれる事を願いつつ、今日も草取りに精を出します。
いつの間にか・・・
2010年2月18日 / 養蜂場日記
駐車場に隣接して造園業を営む家があります。その植木畑からふくよかな香が流れてきました。
梅の木がたくさんの花をつけています。
冷え込んだ朝、そこにだけ春の雰囲気が溢れていました。
他にも梅の木が数本ありますが、まだ蕾は固いままです。天気予報では、来週はかなり暖かくなるとの事、おそらく一気に咲き出すことでしょう。
暖かい日には、養蜂場のミツバチ達も、梅の花を目指してどんどん飛び出していきます。子育てには高タンパクの花粉が必要なのです。
花の少ない季節、春の先がけの梅の花が咲き出すと、養蜂家の心も明るく輝き始めます。
養蜂家も冬眠?
2010年2月16日 / 養蜂場日記
冬の間は、繁忙期に比べるとミツバチの世話をする必要はあまりありません。
しかし、来季に備えて養蜂場全体の修復・整備・養蜂器具の手入れなど、やらなければならない事は沢山あります。
また、インターネットでの調べもの、瞑想、読書、テレビ、買い物 etc・・・
冬にしかできない事を、ここぞとばかりにできる毎日です。
冬眠中でも、養蜂家は実はゴソゴソと動き回っているのです。
哲平もパソコンでの調べものに付き合って、チェックしてくれているところです。
一ヶ月のご無沙汰でした
2010年2月15日 / 養蜂場日記
ミツバチも養蜂家も動き出す春です。
越冬中のミツバチに余分な刺激は禁物です。
冬の間は養蜂場に行く回数が極端に少なくなります。
外では雪やみぞれが降る寒い日でも、立春の頃になると巣箱の中では女王蜂の産卵が始まり、花の季節への期待が高まっていきます。
巣箱の外でも春の息吹はいたる処に・・・
養蜂場の横の空き地でフキノトウを見つけました。陽だまりの中で、新しい季節への”一番乗り“を宣言しているように見えます。
近くにはオオイヌノフグリの可憐な花の姿も見えます。
旧暦では昨日が元日、養蜂家も春本番への準備に入っていきます。
春を待つ養蜂家
2010年1月15日 / 養蜂場日記
ミツバチが越冬している今の時期は、養蜂家もゆったりと骨休めのできる時です。
小春日和のある日、家の近所を愛犬と散歩していると、どこかから甘い香りが漂ってきました。
香りの主は蝋梅(ろうばい)。
江戸時代から植木栽培で有名なこの地域には、今もたくさんの植木屋があります。
芳香は梅の木を栽培している畑から流れてきていました。
昨年も1月の蝋梅に始まり、2月の紅梅、白梅まで楽しませてくれた場所。
養蜂に明け暮れた一年でしたが、あっという間の12ヶ月でした。
立春の頃から、女王蜂の産卵が本格化してきます。
2月、梅の花が咲き出す頃、養蜂家も活動を再開します。