養蜂場日記
ホッとひと息
2010年10月11日 / 養蜂場日記
養蜂場での一日はあっという間に過ぎてしまいます。
仕事に熱中していて朝から一度も休憩せずに、いつの間にか夕方になっていたということが度々ありました。
今はなるべく意識的に休憩を取るように心掛けています。
午前中の仕事を終えて、ひとまず休憩~
約200万匹(この時期)のミツバチの羽音の中で陶然としているところです。
養蜂家は、養蜂場でミツバチの羽音に包まれている時が一番幸せなのです。
また別の害敵が
2010年10月10日 / 養蜂場日記
ミツバチを襲う害敵はたくさんいます。
その中の一つが写真の怪獣―――カマキリ。
今日は巣箱の上でなんとバッタを捕らえていました。カメラを向けてもなんのその、掴んだ獲物に喰らいついています。
宝塚はちみつではオオスズメバチを除いて養蜂場での殺生はしません。クモ、トカゲ、蛙、トンボ、ムカデ、小鳥などもミツバチの害敵になりますが、作業の邪魔になるときだけそっと養蜂場の外に出てもらい、それ以外は一切手を出しません。
昨年から住み着いている一匹のトカゲ(愛称トカちゃん)などは養蜂家(私)を天使か神様とでも思っているらしく?近付いても全く逃げません。安心しきった様子でこちらを観察しています。
自分に危害を加えないと確信している様子がよく分かります。
爬虫類嫌いの養蜂家ですが、“トカちゃん”だけは別格の存在。姿を見かけない日が続くと心配になったりするから不思議なものです。
王様印の蜂蜜
2010年10月8日 / 養蜂場日記
友人から、タイのお土産「王様ブランド」の蜂蜜を貰いました。
プミポン国王のお名前が入っているらしいのですが、タイ語で書いてあるので判読できません。
舐めてみると、とても甘味が強くてフルーティーです!ライチ、パパイヤ、マンゴー・・・南国のフルーツの蜂蜜でしょうか。
緑色のは、一緒に貰ったライムの形の石鹸、爽やかな香りです。
ミツバチの刺繍のある可愛いタオルとセットでプレゼントしてくれたYちゃん、ありがとう♪
大分前にタイに行ったことがあります。微笑みの国と言われるだけあって、人も空気も柔らかく、全てを受け入れてくれるような包容力を感じました。
また旅してみたい国の一つです。
養蜂家妻 記
秋風の中で
2010年10月7日 / 養蜂場日記
澄み切った秋空に百舌鳥の鳴き声が響きます。猛暑に喘いだ夏が夢だったように思える爽やかな日和。
ミツバチも養蜂家も元気を取り戻し、来春に向けての準備に大忙しといったところです。
秋の花が咲き出し、両足に花粉団子をつけたミツバチたちが次々に帰ってきます。女王蜂の産卵も本格化して、たくさんの蜂児(幼児)がどんどん生まれています。子育てに必要なタンパク源として花粉はいくらあっても足りないくらいなのです。
秋に生まれるミツバチは長生きして越冬し、来春からの子育てを担当します。
女王蜂がなるべく沢山の卵を産めるような状態にすることが、この時期の養蜂家の主な仕事になります。
それぞれの群れが独自の個性を持ち、女王蜂の産卵力もそれぞれ違います。群れの特性を把握して先々の手を打っていくことがとても大事になります。
青空に吸い込まれるように飛び立っていくミツバチたちを見上げていると、春から初夏にかけての超多忙な季節、その後の猛暑の夏を共に乗り切ってきた可愛い“同志”たちへの愛と感謝の念が湧き上がってきます。
「ありがとう、今日も頑張ろう!」―働き蜂の羽音で賑わう養蜂場はミツバチたちから元気をもらう癒しの場所でもあるのです。
ばんとう
2010年9月25日 / 養蜂場日記
友人から珍しい物を貰いました。これは一体何でしょう?
答えは「桃」です。普通の桃と違い、平べったい不思議な形をしています。
蟠桃(ばんとう)と言って、中国原産で幻の桃とも言われています。
中国の昔話に出てくる桃で、3000年あるいは9000年に一度しか結実しないと言う伝説があります。
西遊記には、孫悟空がこれを食べて不老長寿になったと書かれているそうです。
厚手の紙袋に入った蟠桃を貰い、バッグに入れて帰宅しましたが、途中、私の周りにとても甘い香りがず~っと漂っていて、ほんわかと幸せでした♪
食べると、香りに劣らず非常に甘味が強く、とろけるように柔らかい~
産地が限られていて栽培が難しく傷みやすいので、ほんの少ししか市場に出回らないそうです。
不老長寿とはいかなくても、ちょっとだけ若返ったかな?
養蜂家妻 記
蜂蜜と哲平
2010年9月22日 / 養蜂場日記
この前FM宝塚の取材を受けた時、リポーターの横山あづささんが撮ってくれた写真です。蜂蜜びんと哲平。
実は哲平も蜂蜜が大好き!朝晩の食事の後、必ず私の手の平から蜂蜜を貰います。
もしも養蜂場に連れて行ったら、蜂蜜を狙って巣箱に頭を突っ込み、ミツバチ達からきついお仕置きを受けるかも知れません。
今朝、テレビでスズメバチの恐怖についての番組がありました。スズメバチに一度刺されると抗体ができ、2度目に刺された時それが過剰反応してアナフィラキーショックを起こし、命にかかわることがあります。
しかし、以前もお伝えしたようにミツバチは違います。稀に蜂毒アレルギーの方がいて、気をつけなければいけませんが、通常は一度刺されて大丈夫であれば、何回刺されても命に別状はありません。
むしろアピセラピーという蜂針療法があり、ルーマニアには専門の病院があるくらいです。(養蜂家には長生きの人が多いという事実も、ミツバチと関係があるのでしょうか?)
でも、治療については専門家に任せましょう。くれぐれも素人療法をなさいませんように!
養蜂家妻 記
ウルトラしょうが! 2
2010年9月21日 / 養蜂場日記
ショウガを乾燥させると、ジンゲロールという成分の一部がショウガオールというものに変化して、全身温め効果を大いに発揮するんだそうです。
ウルトラしょうがを使ったレシピをご紹介します。「ためしてガッテン」で紹介されたもの(写真も)です。
《乾燥しょうがスープ》(2人分)
水600ml、乾燥しょうが 2g、とりがらスープの素 小さじ2分の1、塩 小さじ2分の1、しょうゆ 大さじ2分の1
材料をすべて水に入れ、ひと煮立ちしたら完成。好みでワカメや溶き卵を入れても良い。
《あったかしょうがラー油》
オリーブ油 150ml、塩 大さじ2分の1、砂糖大さじ2分の1、乾燥しょうが(粗みじん)25g、干しエビ(みじん切り)25g、粉とうがらし 大さじ1、にんにく(みじん切り)1片
(1)フライパンに半分のオリーブ油を入れて弱火で加熱する。
(2)塩、砂糖を入れ半分以上溶けたら他の材料をすべて入れる。
(3)残りのオリーブ油を入れ、全体から泡が出てきたら出来上がりです。
養蜂家妻 記
ウルトラしょうが! 1
2010年9月19日 / 養蜂場日記
お客様の中には、毎朝蜂蜜入りのしょうが紅茶を飲む方が沢山いらっしゃいます。
世間でも流行っていて、夏の冷房による冷え対策として、ショウガを料理や飲み物に入れる人が多く、何にでもしょうがを入れる人を「ジンジャラー」と呼ぶそうです。何だか強そうですね。
ところが、この間ビックリ大発見しました。
少し前になりますが、8月25日放送のNHKためしてガッテン「夏冷え解消!しょうが 使い方が間違っていた!」実験の結果、しょうがを摂った後の指先の温度は確かに上がりますが、内部体温は逆に下がっていたのです。
これでは何のためにしょうがをせっせと摂っていたのか分かりません・・・
ところが、ここに「ウルトラしょうが」なる物が登場、全身を温める効果は普通のショウガとは比較にならない程です。
どんな物かと言いますと「超ミイラしょうが」なんです。つまりパリパリに乾燥したしょうがです。(写真)
これは漢方薬にも使うもので、細かく砕いた物が漢方薬局などで売られています。
自分で作る場合は、生のしょうがを1~2ミリにスライスして、パットやザルなどに並べて干します。今の時期なら室内で1週間、天日干しだと1日です。
(番組では電子レンジでの作り方も紹介されましたが、中でしょうがが燃えるなどの報告があったため、後で取り消されました)これを紅茶などに入れる場合はこのまま、しょうが焼きなどは水で戻して細かく切って使います。
養蜂家妻 記
捕ったどお~!
2010年9月17日 / 養蜂場日記
涼しくなった途端に襲来するオオスズメバチの数が増えてきました。
ミツバチにとっては強大な害敵です。
しかし、ここは“宝塚はちみつ”の養蜂場です。どの巣箱も完全に要塞化されています。襲ってくるすべてのオオスズメバチが目的を達する前に写真のような状態になってしまいます。
可哀想ですが、大事なミツバチを守るためにはやむを得ないのです。
七色の
2010年9月16日 / 養蜂場日記
何万というミツバチが巣箱の中で翅を震わせて、夏は冷房効果、冬は暖房効果が上がるように日夜作業しています。
春夏秋冬、生活に必要な温度(30度前後)を巣箱の中に作り出しているのです。
養蜂家の仕事に、内検(内部検査)という大事なものがあります。巣箱の蓋を開けて内部を細かく検査していく作業です。越冬中の真冬は別として、寒いときも、猛暑の時にもやらなければなりません。
しかし、35度を越えるような日中に巣箱を開ければ、内部の温度は一気にミツバチの生活適温を越えてしまいます。時間が長くなれば卵や幼児に与えるダメージも大きくなります。
それで、早朝の比較的気温の低いときに作業する必要が出てくるのです。
暑い季節、養蜂家は早起きです。昔から“早起きは三文の得”などといわれていますが、日頃見慣れない野生の動物や自然現象に遭遇したりして、彩り豊かな時間を送っています。
七色に輝く朝焼けもその中の一つです。