養蜂場日記
採蜜 その6
2011年8月23日 / 養蜂場日記
麻布を取り払うと写真のような状態が現われます。
巣枠は9枚。それぞれの枠の間の白く見えるものは蜜蝋(みつろう)、両側の黒い汚れのように見えるのはプロポリスを含んだヤニ状の物質です。
蜜蝋は完熟した蜜の詰まった巣房を外気から遮断するための蓋の役目をします。
プロポリスを含んだヤニは隙間をふさぎ、巣内への外気、害敵、細菌類の侵入を防ぐためのものです。
プロポリスには強い殺菌効果があり、ミツバチ達は病原菌等を遠ざけることで居住空間を健全なものにする、という本能的な行動をとっているのです。
次に一枚づつ枠を取り出し、びっしりとついたミツバチを払い落としていきます。
蜂蜜パン
2011年8月7日 / 養蜂場日記
7月31日の日記でご紹介したlichetteさんでは、8月は「蜂蜜パンの月」
我が家の蜂蜜を使ったパン達が勢揃いします。ただ、既に予約で完売しています、ご了承ください。
ちなみに8月のお届けものは…「みつばちからのお届けもの」
以下(写真も)lichetteさんのブログより。
宝塚の山のなか、蜜蜂たちのお世話をして自然なおいしいはちみつを採っておられる宝塚はちみつさん、ことしもおいしいはちみつがとどきました。
あまい、やさしいお届けものです。
・百花蜜のカンパーニュ
・はちみつイングリッシュマフィン
・栗のはちみつのリュスティック
・はちみつワッフル(ヴィーガンとリッチ)
・はちみつグラノーラ
1セット 2500円 美味しそうでしょう!これはもう無理のようですが、ワッフルなどは工房で販売する日もあるみたいなので、ブログで確認してみてくださいね。!
(写真は8月のお届けものではありません)
lichetteさんのブログ http://lichette.exblog.jp/
養蜂家妻
採蜜 その5
2011年8月5日 / 養蜂場日記
蜂の行列
巣枠に群がっているミツバチを、巣門の前に敷いた麻袋の上に振るい落とし、そして更に蜂ブラシで払い落とします。
一群の半分ほどのミツバチが落ちますが、彼等はすぐに巣門に向かいます。
同じ方角に一斉に歩いて行く彼等の姿は、電車のターミナルビルに向かう朝夕の通勤客の集団にあまりにもよく似ていて、思わず苦笑してしまいます。
数年前まで、私もスーツ姿でその集団の中を歩いていました。
今は溢れんばかりの自然に囲まれて、作業着姿で大好きなミツバチと過ごしています。心配や苦労もありますが、想像もできなかったような感動と喜びの多い生活に満足しています。
採蜜 その4
2011年8月4日 / 養蜂場日記
ドンゴロス
上段の貯蜜用箱(継箱)の蓋を取ると、写真のような状態になっています。ミツバチの拡散防止と保温用の麻布(通称 ドンゴロス)があり、その隙間からは沢山のミツバチを見ることができます。
麻布の下には9枚の巣枠があり、すでに蜜が満タン状態で詰まった状態です。
一枚づつ巣枠を取り出し、覆うように群がっているミツバチを振り落とし、ハチブラシとよばれる大きな馬毛ブラシで残りのハチを掃き落とします。9枚全ての作業が済んだ時には、巣箱の周囲はまさに灰神楽ならぬ蜂神楽状態です。
ミツバチから見ると”蜂蜜泥棒”にしか見えない養蜂家を刺そうと、何匹ものハチがうるさく付きまとってきます。暑くなるとどうしても薄着での作業になり、時にはシャツの上から刺されたり、ゴム手袋の隙間から入り込んだハチに刺されたり、今はやりの“蜂針治療”を施されることになります。
刺された直後は痛みがありますが、すでに蜂毒に免疫ができているらしく、腫れもせず、赤くもならず、何の後遺症も感じません。
養蜂家に長命の人が多いのはミツバチの蜂毒効果のため? などと勝手な想像を巡らしています。
採蜜 その3
2011年8月2日 / 養蜂場日記
5月下旬から6月上旬にかけて、一群あたりのミツバチの数は3~4万(群れによっては5万)となり、その最盛期を迎えます。
数が多く強大な群れほど、短期間にたくさんの蜜を集めます。
そのため養蜂家の最大の目標は、いかに“強群”を作り上げるかということになります。
その全ては、たった一匹の蜂にかかっています。
女王蜂の形質が、その群れの命運を決めてしまうのです。
隣り合う巣箱でも、一方は数万の働き蜂を擁し、上段の貯蜜箱には溢れんばかりの蜜を貯めているのに、一方では下の箱だけでシーズンを終えてしまう群れもあるのです。
産卵力、採蜜力、病気に強い生命力を兼ね備えた女王蜂の群れほど、繁栄することになるのです。
宮古島のマンゴー
2011年7月31日 / 養蜂場日記
宝塚はちみつのお客様で、手作りパンを作っている方がおられます。「lichette(リシェット)」さんと言う、とても良心的なパン屋さんです。酵母も全て自分で育てた天然のものです。季節によって、柚子とかレモン、レーズン、様々な自然の素材を使って作った酵母でパンを焼きます。素朴で美味しい、しみじみと味わい深いパンができ上がります。
一方、同じく蜂蜜のお客様で、親しくメールをし合ったり、誕生日のプレゼントを下さったりするSさんと言う方がおられます。
昨年のSさんのお誕生日に、lichetteさんのパンをプレゼントしました。心のこもった手作りパンを食べたSさんは、すっかりファンになってしまったらしく、その後はご自分でlichetteさんのパンを買われるようになりました。
先日そのSさんが、注文して下さった蜂蜜を我が家に取りに来られました。
少し前に、沖縄のお知り合いに我が家の蜂蜜を送ったところ、お返しにマンゴーが送られてきたと、真っ赤に熟れた立派なマンゴーを持ってきて下さったのです。
マンゴーは、なんとも甘くてジューシーで最高でした、オイシイィ~~!
その時にlichetteさんのワッフルも買って来て下さいましたが、lichetteさんのことは、次の日記に詳しく紹介します。
この仕事をしていると色々な素晴らしい方とご縁を頂き、本当にありがたい感謝の毎日です。
養蜂家妻
採蜜 その2
2011年7月30日 / 養蜂場日記
早朝5時前の養蜂場
霧の中で、ザワ~ンという低い音が聞こえてきます。それはミツバチたちが小刻みに翅を震わせて巣内の温度調節をしたり、蜂蜜の余分な水分を飛ばしている音。
彼等が元気に活動している証拠です。
養蜂家はこの音を聞いて内心ほっとします。
今日の仕事に必要な道具や器具を倉庫から養蜂場内に運び込んだり、燻煙器に火を起こしたり、いよいよ忙しい一日がスタートします。
薔薇の蜜
2011年7月28日 / 養蜂場日記
さかのぼること2ヶ月前、5月末は薔薇が満開の時です。薔薇で有名な公園に行きました。
暑さを避けて朝早く薔薇園に入ったとたん、まばゆい色と香りが波のように押し寄せてきました。ここぞとばかりに思い切り深呼吸しながら歩きます。
ここは蜂にとっても天国、花から花へ忙しく飛び回り、カメラを向けてシャッターを押そうとすると、もう他の花に移っています。やっと撮れた何枚かの中の一枚です。
我が家の百花蜜には野薔薇の蜜が混じっていて、よく薔薇の香りがすると言われます。
ここに巣箱を置いたら、どんな香りのどんな蜂蜜が採れるでしょう・・・
養蜂家妻
採蜜 その1
2011年7月28日 / 養蜂場日記
採蜜の日は3時起床、4時に家を出て5時には養蜂場で作業開始です。
爽やかな冷気の中、子育てに忙しい鳥たちの声がすがすがしく聞こえます。
ミツバチ達は一晩かけて、前日に運びこんだ花蜜の余分な水分をとばします。早朝には水分20%以下の濃度の高い蜂蜜が、蜜枠にびっしりと詰まった状態になっています。
養蜂家にとっては一年間の苦労と努力の実る日。どきどき、わくわくの一日となります。
しかし、ミツバチ達にとってはそうはいきません、上を下への大騒ぎです。まさしく蜂の巣を突っつかれたわけですから大変です。
煙を浴びせられ、振るい落とされて、気がついたらせっかく貯めた蜜が無くなっている~~ まるで押し込み強盗にあったようなもの。
しかし、彼等はくじけません、直後から再び集蜜活動に精を出し、懸命に蜜を貯め始めます。
蜜を頂く代わりに、一生懸命にお世話させてもらうからね!
ゴメンナサイ、アリガトウ ミツバチさん!