養蜂場日記
あれから1年
2012年3月11日 / 養蜂場日記
東日本大震災から1年が経ちました。
今も尚、行方不明のご家族を探し続けておられる方も多いと聞き、胸が痛みます。
被災された方々に1日も早く心安らかな日々が訪れますように、心よりお祈り申し上げます。
鬼の棲家
2012年3月10日 / 養蜂場日記
ミツバチにとっては、どんな種類のスズメバチも手ごわい害敵。
写真は養蜂場の生垣の中にあったコガタスズメバチの巣です。
コガタとはいうものの、大きさはキイロスズメバチと同じくらい、外観はオオスズメバチにそっくり、動きは敏捷でオオスズメバチの比ではありません。
重厚な動きで、簡単に打ち落とせるオオスズメバチに比べて、牛若丸のような軽快な動きで養蜂家を翻弄するのがこのコガタスズメバチです。
昨秋、養蜂場を飛び回っていたコガタスズメバチは全てこの巣から来たものだったのでしょう。
来た 来た 来た!
2012年3月5日 / 養蜂場日記
やった~ 来た~ ! と思わず声がでたのは、待ち焦がれていた鳴声“ホーホケキョ”が聞こえてきたときでした。
初音を耳にしたのは3月3日の桃の節句。
とりわけ厳しい寒さの続いたこの冬でした。ウグイスが嬉しげに春の幕開けを宣言しています。
ミツバチも養蜂家もこの時を一日千秋の思いで待っていました。
山里はこれから日毎に春色を濃くしていきます。
眠っていた自然が目を覚まし、躍動を始める季節になったのです。
養蜂家の心に一気に火がつきました。
我を忘れて作業に没頭する日々が始まります。
春は名のみの風の冷たさ~
2012年2月28日 / 養蜂場日記
チャッ チャッ チャッ・・・聞こえてきました。
近くの藪の中からしきりに聞こえてくる鳴声の主はウグイスです。
この声がホーホケキョに変わるのも時間の問題。
でもこの厳しい寒さでは、初音が聞けるのは大分先になるかも知れません。
鳴きはじめは、どのウグイスも下手くそで思わず笑ってしまいますが、日を追うごとに上達し、養蜂場周辺では8月上旬までその優雅な歌を楽しむことができます。
ウグイスが「我が世の春」とばかりに高らかに歌う頃には、ミツバチの活動も本格化してきます。
ミツバチも鳥たちも、そして養蜂家も、暖かい南風の吹く季節を待ちわびています。
バレンタインに
2012年2月19日 / 養蜂場日記
北海道に旅行したお客様から、お土産を沢山頂きました。
奇跡のりんごの木村さんのかりんとう、わさおの店のイカかりんとう、じゃがポックル、これには妻が大喜び!
でも「美味しすぎて、やめられない止まらない!どうしよう!」と嬉しい悲鳴を上げていました。
私にはバレンタインのプレゼント、「神月(しんげつ)」と言う名の日本酒を頂きました。「杜氏 猿田 修の隠し酒」だそうです!何だか飲むのが恐れ多いような気がする、気品のあるお酒です。(妻以外からバレンタインのプレゼントを貰ったのは何年振りでしょうか?シアワセです♪)
養蜂を始めてからというもの、春から秋にかけてはどこにも出かけることができない日々を送っています。冬でも、この時期にしか出来ない作業が色々あるのです。
たまにはゆっくりと旅行でもしたいと思いますが、生き物を飼っているとそうはいきません。
でも、養蜂場でミツバチの羽音を聞きながら作業をしている時が、至福の時・・・そんな時は、他の場所に旅行したいなんて思いもしません。ここが私の世界一の場所なのですから。
さあ今夜は、ミツバチが飛び交う春の光景を想像しながら、ゆっくり「神月」を飲味わうことにしましょう、楽しみだなぁ・・・
これもまた“冬の楽しみ”のひとつ
2012年2月18日 / 養蜂場日記
蜂蜜タンクの底に取り残していたハチミツが、冬になって結晶化していました。ぺースト状でパンに塗るにはまことに都合の良い状態です。紅茶にも入れます。甘いものが欲しい時、そのまま口に入れたりもします。
気温が下がってくると(摂氏15度以下)ハチミツは白く結晶化します。ハチミツに沢山含まれるブドウ糖が結晶することによって起こるものです。
ハチミツにはブドウ糖と果糖が沢山含まれています。二つとも消化・分解の必要のない単糖類です。食べるとそのまま吸収されて、すぐにエネルギーになります。
運動や肉体労働で体を激しく動かした後、長時間の頭脳作業などの後など、ハチミツを食べることによって疲労が急速に回復するのは、この単糖類、とくにブドウ糖の働きによるものです。
焼いたパンにバターを塗り、その上にこの結晶ハチミツを乗せると、とろりと溶けて極上のコラボレーションを味わうことになります。
紅茶にもハチミツをたっぷり入れれば(出来ればショウガを入れると更によし)その日の燃料は満タン状態。寒さを吹き飛ばし、ぐんぐん前進する力が湧き上がってきます。
シーズンオフも結構忙しい!
2012年2月13日 / 養蜂場日記
ミツバチが越冬のため巣箱に籠もっている間、養蜂家はミツバチの世話から解放されます。
好きな読書や愛犬と思いっきり遊ぶ時間がもてるようになり、何となく得をしたような気持になるものです。
しかし、そんな状態にいつまでもかまけているわけにはいきません。養蜂器具の修理・修繕・消毒、養蜂場の整備、、新しい器具の準備等、次々にやることが出てくるのです。
自分で工夫したオリジナルの器具もいくつかあり、それらは全て手作りのため、あらかじめ”組み立てキット”として準備しておきます。
今年もキットの準備、組み立て、そしてさらに増群のための土木作業に精を出すシーズンオフです。
コンコンコン・・・
2012年2月11日 / 養蜂場日記
春夏秋冬、養蜂場の周囲にはいろいろな鳥たちが姿を見せます。
この季節にはアカゲラやコゲラのきつつき類、シジュウカラ、メジロ、コジュケイ、キジ、山鳩、ツグミ、シロハラ、アカハラ、ノスリ等々・・・養蜂家が確認していないものも沢山いる筈です。
昨日、かすかにコンコンコン、コンコンコンという連続音が聞こえてきました。馴染みになっている“冬の音”です。
コゲラ(スズメくらいの大きさのキツツキ)が枯れ木をつつく時の音です。周囲の冬枯れの林に目を凝らすと、一羽が枝から枝へと移動しています。黒と白の柄模様の羽毛と頭頂の小さな赤い羽毛が確認できます。まぎれもなくコゲラです。
冬の間、一回り大きなアカゲラと共に、養蜂場の周囲でよく目にする小鳥です。
メジロの小群も近くにきています。シジュウカラの声も聞こえてきました。
冬とはいえ賑やかな一日になりそうです。
新種の柿を植えました。
2012年2月9日 / 養蜂場日記
この2、3年市場に出始めた“大秋”という新種の柿があります。
従来の柿より一回り大きく・種がなく・糖度が高く・食感はりんごやナシのような“さくさく感”があり、人気沸騰中というニューフエースです。
養蜂家もまだ食べたことはありませんが、近くのホームセンターで苗をみつけました。
早速、唯一残っていた場所に、夏の緑陰の役目も兼ねるように植えました。
昨今の接木や苗木作りの技術はとても進歩しています、意外と早く実をつけるようです。
植えた植物の成長を見守りながら世話するのも、ミツバチの世話に劣らずとても楽しいものです。