養蜂場日記
来た 来た 来た!
2012年3月5日 / 養蜂場日記
やった~ 来た~ ! と思わず声がでたのは、待ち焦がれていた鳴声“ホーホケキョ”が聞こえてきたときでした。
初音を耳にしたのは3月3日の桃の節句。
とりわけ厳しい寒さの続いたこの冬でした。ウグイスが嬉しげに春の幕開けを宣言しています。
ミツバチも養蜂家もこの時を一日千秋の思いで待っていました。
山里はこれから日毎に春色を濃くしていきます。
眠っていた自然が目を覚まし、躍動を始める季節になったのです。
養蜂家の心に一気に火がつきました。
我を忘れて作業に没頭する日々が始まります。
春は名のみの風の冷たさ~
2012年2月28日 / 養蜂場日記
チャッ チャッ チャッ・・・聞こえてきました。
近くの藪の中からしきりに聞こえてくる鳴声の主はウグイスです。
この声がホーホケキョに変わるのも時間の問題。
でもこの厳しい寒さでは、初音が聞けるのは大分先になるかも知れません。
鳴きはじめは、どのウグイスも下手くそで思わず笑ってしまいますが、日を追うごとに上達し、養蜂場周辺では8月上旬までその優雅な歌を楽しむことができます。
ウグイスが「我が世の春」とばかりに高らかに歌う頃には、ミツバチの活動も本格化してきます。
ミツバチも鳥たちも、そして養蜂家も、暖かい南風の吹く季節を待ちわびています。
バレンタインに
2012年2月19日 / 養蜂場日記
北海道に旅行したお客様から、お土産を沢山頂きました。
奇跡のりんごの木村さんのかりんとう、わさおの店のイカかりんとう、じゃがポックル、これには妻が大喜び!
でも「美味しすぎて、やめられない止まらない!どうしよう!」と嬉しい悲鳴を上げていました。
私にはバレンタインのプレゼント、「神月(しんげつ)」と言う名の日本酒を頂きました。「杜氏 猿田 修の隠し酒」だそうです!何だか飲むのが恐れ多いような気がする、気品のあるお酒です。(妻以外からバレンタインのプレゼントを貰ったのは何年振りでしょうか?シアワセです♪)
養蜂を始めてからというもの、春から秋にかけてはどこにも出かけることができない日々を送っています。冬でも、この時期にしか出来ない作業が色々あるのです。
たまにはゆっくりと旅行でもしたいと思いますが、生き物を飼っているとそうはいきません。
でも、養蜂場でミツバチの羽音を聞きながら作業をしている時が、至福の時・・・そんな時は、他の場所に旅行したいなんて思いもしません。ここが私の世界一の場所なのですから。
さあ今夜は、ミツバチが飛び交う春の光景を想像しながら、ゆっくり「神月」を飲味わうことにしましょう、楽しみだなぁ・・・
これもまた“冬の楽しみ”のひとつ
2012年2月18日 / 養蜂場日記
蜂蜜タンクの底に取り残していたハチミツが、冬になって結晶化していました。ぺースト状でパンに塗るにはまことに都合の良い状態です。紅茶にも入れます。甘いものが欲しい時、そのまま口に入れたりもします。
気温が下がってくると(摂氏15度以下)ハチミツは白く結晶化します。ハチミツに沢山含まれるブドウ糖が結晶することによって起こるものです。
ハチミツにはブドウ糖と果糖が沢山含まれています。二つとも消化・分解の必要のない単糖類です。食べるとそのまま吸収されて、すぐにエネルギーになります。
運動や肉体労働で体を激しく動かした後、長時間の頭脳作業などの後など、ハチミツを食べることによって疲労が急速に回復するのは、この単糖類、とくにブドウ糖の働きによるものです。
焼いたパンにバターを塗り、その上にこの結晶ハチミツを乗せると、とろりと溶けて極上のコラボレーションを味わうことになります。
紅茶にもハチミツをたっぷり入れれば(出来ればショウガを入れると更によし)その日の燃料は満タン状態。寒さを吹き飛ばし、ぐんぐん前進する力が湧き上がってきます。
シーズンオフも結構忙しい!
2012年2月13日 / 養蜂場日記
ミツバチが越冬のため巣箱に籠もっている間、養蜂家はミツバチの世話から解放されます。
好きな読書や愛犬と思いっきり遊ぶ時間がもてるようになり、何となく得をしたような気持になるものです。
しかし、そんな状態にいつまでもかまけているわけにはいきません。養蜂器具の修理・修繕・消毒、養蜂場の整備、、新しい器具の準備等、次々にやることが出てくるのです。
自分で工夫したオリジナルの器具もいくつかあり、それらは全て手作りのため、あらかじめ”組み立てキット”として準備しておきます。
今年もキットの準備、組み立て、そしてさらに増群のための土木作業に精を出すシーズンオフです。
コンコンコン・・・
2012年2月11日 / 養蜂場日記
春夏秋冬、養蜂場の周囲にはいろいろな鳥たちが姿を見せます。
この季節にはアカゲラやコゲラのきつつき類、シジュウカラ、メジロ、コジュケイ、キジ、山鳩、ツグミ、シロハラ、アカハラ、ノスリ等々・・・養蜂家が確認していないものも沢山いる筈です。
昨日、かすかにコンコンコン、コンコンコンという連続音が聞こえてきました。馴染みになっている“冬の音”です。
コゲラ(スズメくらいの大きさのキツツキ)が枯れ木をつつく時の音です。周囲の冬枯れの林に目を凝らすと、一羽が枝から枝へと移動しています。黒と白の柄模様の羽毛と頭頂の小さな赤い羽毛が確認できます。まぎれもなくコゲラです。
冬の間、一回り大きなアカゲラと共に、養蜂場の周囲でよく目にする小鳥です。
メジロの小群も近くにきています。シジュウカラの声も聞こえてきました。
冬とはいえ賑やかな一日になりそうです。
新種の柿を植えました。
2012年2月9日 / 養蜂場日記
この2、3年市場に出始めた“大秋”という新種の柿があります。
従来の柿より一回り大きく・種がなく・糖度が高く・食感はりんごやナシのような“さくさく感”があり、人気沸騰中というニューフエースです。
養蜂家もまだ食べたことはありませんが、近くのホームセンターで苗をみつけました。
早速、唯一残っていた場所に、夏の緑陰の役目も兼ねるように植えました。
昨今の接木や苗木作りの技術はとても進歩しています、意外と早く実をつけるようです。
植えた植物の成長を見守りながら世話するのも、ミツバチの世話に劣らずとても楽しいものです。
お久し振り!
2012年2月6日 / 養蜂場日記
寒気が緩み、なんとなく外気にぬくもりを感じた日、久し振りにミツバチたちが姿を見せてくれました。
立春のころから陽の光りにも力を感じるようになりますが、光と気温に敏感に反応するミツバチたちの動きも活発化してきます。
綺麗好きで、巣箱の中では絶対に用を足すことのない彼等にとって、外に出られない冬季は我慢の季節なのです。
時折訪れる暖かい光いっぱいの日には、いっせいに外に飛び出してきます。ミツバチ達のトイレタイムです!
久し振りに耳にする彼等の羽音に養蜂家の胸も高鳴ります。
厳寒の中にも、春の足音は確実に近付いています。
柿酢作りに挑戦!
2012年2月2日 / 養蜂場日記
昨年は柿が豊作でした。 養蜂場の柿の木にもたくさんの実が取り残したままになっており、以前から心の隅にあった“柿酢”作りに挑戦してみることにしました。
調べてみると、作り方はいたって簡単。
柿の実をそのまま(洗わずに)容器に詰め込み、蓋を軽くかぶせて置くだけでいいのだそうです。
柿の実を洗わないのは、自然に付いた酵母菌を落とさないため、また容器を完全に密閉しないのは、空中にある酢酸菌をシャットアウトしないようにするためだそうです。容器の蓋は軽くかぶせるだけにして(ごみが入らないように)空気が通うようにしてあります。
漬けこんで2週間、すでにかなりの水分が滲出してきています。
半年後、一年後はどうなっているのか今から楽しみです。
トカゲ? イモリ? ヤモリ?
2012年1月31日 / 養蜂場日記
正解は サンショウウオです。
12月の初め頃、燻煙器から出した燃え残りを消すための、水を張ったバケツの下にいたものです。
最初はトカゲが越冬を始めたものと思ったのですが、どうもトカゲトとは様子が違います。はたと思い出したのが、あるテレビ番組で見たサンショウウオのこと。
インターネットで調べてみると全く同じ写真が載っており、正解。
触ってみると表面はぬめっとした感じ。寒さのためか動きは緩慢です。水中に産卵して、成長すると森の中で生活するのだそうです。
養蜂場は水辺と山林の中間に位置しています。よく調べれば、おそらく周囲の林や森の中にはたくさんのサンショウウオがいるのかも知れません。
今まで気が付かなかったのは、養蜂家の視線の100%がミツバチに向けられていたからかも知れません。
これからは時々足元にも視線を向けてみようと思います。