養蜂場日記
レンゲ蜜について お知らせとお詫び
2012年5月17日 / 養蜂場日記
ショッピングの欄でもお知らせしておりますが、本年度のレンゲ蜜の販売ができなくなりました。
心よりお詫び申し上げます。
越冬している間にミツバチの数は激減します。
そして春になり、暖かくなるにつれて生育が盛んになります。
毎年レンゲが咲く頃には数も増え、採蜜できる状態が整ってくるのが普通です。
しかし今年は例年になく長引いた寒波のため、蜜蜂の生育が大幅に遅れた上に、レンゲの生育不良が重なり、採蜜する迄に至りませんでした。
不本意ながら、今年のレンゲ蜜の販売は断念せざるを得ない状況です。
自然と生き物は人間の思うようにはいかないのが当り前、謙虚に受け入れるしかありません。
レンゲ蜜をご予約頂いている皆様には、大変ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。
その旨、追ってお一人ずつにお知らせ申し上げます。
どうぞご了承くださいませ。
母なる海と海なる母
2012年5月14日 / 養蜂場日記
昨日5月13日は母の日でした。
12日の朝日新聞にこんな文章が載っていました。
遅ればせながら、母の日に・・・
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母なる海と海なる母
フランス語で母(mere)と海(mer)は同じ発音。
三好達治は「郷愁」に 「海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がいる。
そして母よ、フランス人の言葉では、あなたの中に海がある」
と記しました。
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本当に…
「海」という文字の中に母がいますよね。
人間は海から生まれ、人は母から産まれました ただ感謝です。
養蜂家妻
「風光る・風薫る」
2012年5月6日 / 養蜂場日記
周囲の山々が日に日に初夏の色に変化して、春の陽の下で初々しい緑が輝いています。何もかもが新鮮で光に満ち溢れています。
大都会のビルの中で仕事に明け暮れていた頃、夢見ていた緑の中での養蜂生活・・・今、夢中になって味わっています。
我を忘れて作業に没頭し、気がついたら夕陽が落ちかけていたことは数え切れないほど。
養蜂家の生活に“月曜日の朝”はありません。
特に、花から若葉に変化するこの清々しい季節には、眠る時間さえも惜しく思われます。
夏に向かうこの爽やかな季節を表現する言葉は、やはり、「風光る」「風薫る」が一番ぴったりくるようです。
光る風、薫る風の中で、心ゆくまで仕事を楽しんでいます。
ミツバチを煙に巻く?
2012年5月4日 / 養蜂場日記
ミツバチを煙に巻くのが“燻煙器”
写真ではよく分かりませんが、興奮しているミツバチに煙を吹きかけて静かにさせるために使います。燃やす材料はコーヒー豆の空麻袋(通称ドンゴロス)。
ちなみに、化学繊維や絹やウールなどの動物性繊維を使うのはご法度です。その刺激臭にミツバチたちが興奮して収拾がつかなくなってしまうからです。
専門業者から購入するドンゴロスの中には、青いままのコーヒー豆が残っていることがあり、こぼれ落ちた豆がいつの間にか芽を吹いていたことも。
コーヒー豆さんも、まさか宝塚の養蜂場で芽を吹くことになろうとは・・・予想もつかない展開にびっくりしたことと思います。
ひっそりと満開 ~ 山桜
2012年4月30日 / 養蜂場日記
華麗なソメイヨシノの後は、目立たないけれど何か心を捕えて離さない山桜が咲き始めます。
昔から、よく俳句や和歌に詠まれる風情豊かな山桜。自然交配による雑種の数は二百数十種あると言われています。
開花もソメイヨシノのように地域一帯で同時に咲くのではなく、それぞれが独自に開花するため、長い間(約一ヶ月)、その優雅な美しさを楽しむことができます。
新緑の山々のあちらこちらを白や淡いピンクで彩る様子は、まるで日本画・・・
この周辺にもたくさんありますが、写真は養蜂場入り口の真ん前に咲いている山桜~~仕事の準備をする養蜂家の上に、花びらが静かに舞い降りて来ます。
養蜂家も“一所懸命”
2012年4月29日 / 養蜂場日記
春から初夏にかけて巣箱の中で起こる変化は、他の季節の比ではありません。働き蜂は無論のこと、秋から冬の間には姿を見ることのなかったオス蜂もどんどん生まれてきます。
5月に入ると女王蜂も世代交代の時を迎え、その幼児が育つ王台とよばれる特別な巣房が作られます。
出来るだけ働き蜂を増やし、雄蜂の数は最小限度に抑え、女王蜂は質の高い子孫のみを残すような管理が養蜂家の毎日の仕事となってきます。
3万匹~4万匹、時には5万匹を超えるミツバチたちの充満する巣箱内の点検は結構神経を使う仕事・・・慣れているとはいえ、刺されることもままあり、気を抜くわけにはいきません。
“神秘の昆虫”といわれるミツバチですが、群れごとに癖や個性があるのもまた興味のつきないところです。
先手をうちながらこの癖と個性を活用するのも養蜂家の腕の見せ所なのですが、これは同時に“神秘の昆虫”との駆け引きを楽しむことでもあり、毎日がドキドキワクワクの連続です。
新しい世代の誕生ラッシュ!
2012年4月27日 / 養蜂場日記
巣箱の中ではこの春生まれのミツバチがどんどん増えています。
これから生まれてくる世代のミツバチたちは蜜や花粉を集めたり、次から次ぎにうまれてくる新生児の世話をしたりと超多忙な生活を送ることになります。
そのため、越冬世代が3~4ヶ月生きるのに比べて、わずか1ヶ月ほどの時間しか生きることはできません。
その間に一匹のミツバチが集めることの出来る蜜はテイースプ~ン一杯ほどの量。
それでも彼等は文字通り“一所懸命”“一生懸命”に朝から晩まで働き通します。
私たちが口にするあの甘い蜂蜜は、彼等の一生をかけた仕事の成果なのです。
ミツバチさん有難うございます。 感謝!
赤紫はミツバツツジ
2012年4月26日 / 養蜂場日記
北摂一帯(川西市、宝塚市北部、三田市、篠山市を含む地域)では桜(ソメイヨシノ)が散ってしばらくすると、赤紫のミツバツツジが満開となります。
車を運転している時、鮮やかな赤紫の群落が次々と視界に入ってきて、うきうきとした気分になるのもこの季節。
桜の時期には、自分が日本に生まれたことを嬉しく思い、今また満開のミツバツツジを目にして、この土地に生きることの喜びを感じる日々です。
何はともあれ花の季節の養蜂家は、はちきれんばかりの幸せを感じているのです。
カツオツブ
2012年4月25日 / 養蜂場日記
母の故郷高知で、土佐銘菓「松魚(かつお)つぶ」という不思議なお菓子を発見しました。
紙の袋いっぱいにカツオの絵が描いてあり、「添えてある槌で割ってお召し上がりください」と書いてあります。
お店の人に聞いてみると、中に入っている飴の塊を小さな金づちで叩いて割って食べるのだそうです。店員さん達は口々に「子供の頃食べたよね~」「うん、食べた、食べた」と懐かしそうに話しています。
裏に、砂糖・水あめ・桂皮油と書いてありますが、桂皮油とはハッカのことだそうです。
買って帰って開けてみると、小人が持つような小さな金づちが入っていました。飴は魚の卵の形をしています。お正月に食べる数の子そっくりです。
舐めてみると、確かにハッカの香りと共に、素朴な懐かしい風味が口いっぱいに広がりました。
それにしても、この名前の由来は何なのでしょう?
養蜂家妻